新時代の花粉飛散方法

ヤマハ発動機は森林林業研究センターで、スギ花粉の飛散防止剤散布を目的にしたドローンを用いた実証実験を実施した。花粉を作らせないことで木の生育などにも好影響を与えるということから。実用化への期待が高まる。

花粉を「作らせない」で
飛散量を減らす





雄花のついたスギを持つ小塩教授 写真提供:ヤマハ発動機



「日本には、九州の面積にも匹敵する約450万ヘクタールものスギ林が存在します。地球温暖化と相まって、今後も花粉の飛散量は増え続けていくでしょう。特に若年層では6割以上が花粉症に悩まさているという中、この時期に入試を迎える生徒たちは本当に気の毒です」こう話をするのは東京農業大学の小塩海平教授(国際農業開発学科)。

今や日本人の約4割が花粉症と診断される現代、花粉症の原因の一つであるスギ花粉が社会問題化する前から研究されている第一人者だ。小塩氏は、四半世紀の研究の末、民間企業との連携により植物油脂由来の界面活性剤を主成分とする花粉飛散防止剤の開発に成功。

8月末から10月の初旬にスギの若い雄花に散布すると、雄花だけが枯れて翌年春の花粉の飛散量を大幅に抑えることができる。人体に影響がないことは実証済みで、花粉を作らせないことによって、木の生育や木材の品質に好影響を与えることもわかっているという。

しかし、花粉対策の特効薬として期待は高まるが、実用化に向けてはまだ課題もある。同氏は、「例えば私有林。全国のスギ林の所有者に理解を得ることも大切ですし、何より経済的な負担を抑えた効果的な薬剤散布技術の確立も欠かせない要素」と語っている。





ドローンや無人ヘリの活用は
農林業だけにとどまらない




散布試験に用いられたヤマハ製ドローン「YMR-08」 写真提供:ヤマハ発動機



2019年9月末には静岡県森林・林業研究センターにて、農薬散布などで実績のあるヤマハ製ドローンに名古屋大学が開発した特殊なノズルを装着し、より高効率な薬剤散布を目指した比較試験が行われた。

今後、発生源で花粉の飛散量を半減させることができれば、都市部の飛散量は更に低減されると考えられている。ピンポイントでの散布はドローン、広範囲での散布は無人ヘリコプターと、活用が実用化されれば現代病とも言える花粉症の解決に近づく。

また、小塩氏は「スギは、日本書紀にも記されている古来からの日本の宝。伐採に頼ることなく、花粉だけをやっつけるモデルをこの地域で確立して全国に広げていきたい」と意気込んでいる。

このモデルが農薬散布だけにとどまらず、様々な問題解決に転用できれば、豊かな日本の自然環境を守りながら共存を図ることができるだろう。まさにSDGsの一端を担う画期的な事業である。

ヤマハ製ドローン「YMR-08」について詳しく


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