林野庁が取り組む林業イノベーションの推進とは

ゲリラ豪雨や台風を原因とする災害が多発する近年、森林の持つ保全機能にも注目が集まっている。国や林野庁は、どのようにスマート林業を推進しているのだろう?日本におけるスマート林業について、林野庁職員が初歩から教えてくれた。

スマート林業の現在地
木材自給率は最低だった平成14年の18.8%から着実に回復しており、平成30年には36.6%にまで回復した。

ゲリラ豪雨や台風を原因とする災害が多発する近年、森林の持つ保全機能にも注目が集まっている。

忘れてはならないのは、第二次世界大戦後に大量に植林された針葉樹が今、主伐期を迎えていること。日本林業は今、千載一遇のチャンスを迎えているとも言えよう。

そんな背景のもと、日本のスマート林業は、どのように進もうとしているのだろうか。

スマート林業を支える、林野庁の様々な取組

国の施策に関連した大きなトピックは、令和元年6月21日に閣議決定された『経済財政運営と改革の基本方針2019』で農林水産業の活性化として“高精度な資源情報を活用した森林管理、自動化機械の開発、ICTによる木材の生産管理などスマート林業等の林業イノベーションを推進する”とされたこと。

また、同じく令和元年6月21日に閣議決定された『成長戦略フォローアップ』で“スマート林業等の推進(林業イノベーションの推進)”が決まったことだ。

こうした国をあげてスマート林業を支援するという背景のもと、林野庁では様々な取組を行っている。

【林野庁 森林整備部 計画課 鈴木さん】のコメント
「スマート林業を支える技術としては、例えば、レーザ計測技術、クラウドGISを用いたデータ管理、ドローン測量、路網設計・支援ソフト、携帯端末を用いた計測・労働管理・提案、IoTハーベスタによる価値最適採材などが挙げられます。

このようにスマート林業と言っても、森林資源量の把握から伐採、販売に至るまで、様々な工程がありますよね。

私達は、資源段階、生産段階、流通段階のそれぞれの課題に対応するため、ICT等の先端技術の活用を推進しています。

資源段階においては、従来は紙ベースで管理していたものを森林GISによる一元管理にしました。これは全都道府県で導入済です。

また、従来は人間が現地に行って取得していた森林情報を航空レーザ計測とすることで効率化、高度化する取組を行っています。

森林資源量の把握は木材生産に必要な情報の出発点になりますので、資源段階でのデータ化は特に重要と考えています。もちろん生産段階、流通段階についても、着々と実証を進めているところです」

先を行く取組を支援し全国に普及を促進
林野庁では平成30年度より『スマート林業実践対策』事業を創設して、ICT等の先端技術を現場レベルで活用する取り組みを支援している。

【林野庁 森林整備部 研究指導課 中村さん】のコメント
「平成30年度より5地域において、また令和元年度から新たに2地域を加えて支援を開始しました。

また、こうした先進事例を普及させるため『スマート林業実践対策』で得られた結果を利便性やコスト等として明示した事例集を作成しています。

その発刊を機に、都道府県、市町村および林業事業体等を対象とした報告会を開催して、アンケート調査を実施しました。

その結果からは、他地域の先進事例への高い関心、人材育成や連携体制構築といった“人”に関するニーズが高いことも把握しました」(同 鈴木さん)。

今後の動きを見ていくと、『林業成長産業化総合対策』の令和2年度予算概算要求では、新たに25億円の『林業イノベーション推進総合対策』が設けられている。

事業内容は、森林資源デジタル管理推進対策(レーザ計測等による森林資源・境界情報のデジタル化や、効率的な路網設計を支援するソフト等の導入支援)、ICT生産管理推進対策(レーザ計測による森林資源データの解析・管理手法の標準仕様の作成や、

木材生産管理に係るシステム標準仕様の作成支援)、革新的林業実践対策(ICTやリモートセンシング技術等の活用の実践推進や、先進的技術の実証・導入の実施)と幅広いため、ぜひ積極的に活用したい。

「林野庁ではこうした取組に加えて、林業作業の効率化や軽労化を図るため、林業機械の自動化や遠隔操作化も進めたいと考えています。

そのためには森林内での通信環境の整備や地理空間情報の取得など、解決しなければならない課題も多いところですが、農村地域においても通信環境の整備が今後進められる可能性があることや、

他分野においても自己位置推定などの自動走行に関する研究開発が活発に進められているので、そうした新たな技術や動きを注視しつつ、森林・林業分野への適用を検討していきたいと思います」。

<話を聞いた人>
林野庁 森林整備部 計画課 鈴木崇之さん
林野庁 森林整備部 研究指導課 中村 亨さん

ヤマハ発動機株式会社

森林と地形計測の新たなスタンダード

国土防災技術株式会社

自然環境と真摯に向き合い、環境に配慮した資材を展開しています

株式会社アドイン研究所

AI・ITの利活用による産業への社会貢献を推進してきています

株式会社BREAKTHROUGH

位置情報共有から丸太測定まで ICTの力で林業をアップデート


カンタム・ウシカタ株式会社

100年以上の歴史をもつ測量機器メーカ―です

株式会社フォレストシー

自然再生・地方創生を基本理念に、携帯圏外でも利用可能な独自の



取材・文/Reggy Kawashima
FOREST JOURNAL vol.2(2019-20年冬号)より加筆・修正

ゲスト様

ID

Password

※マイページ機能はログインすると利用できます

未読のメッセージがあります

注目ブース

「あとで見る」に追加したブース

もっと見る

「あとで見る」に追加した 製品・サービス

もっと見る

ダウンロードした資料

もっと見る

オンライン展示会に戻る▶︎